
– 小さい家のリアル –
自邸の土地面積は27坪で、周りも建物に囲まれた典型的な都市型環境です。
その土地に27坪の住宅を設計・建築しました。

正直に言うと、27坪という広さは「十分に広い」と言えるサイズではありません。
その点では、広い家の方が魅力的です。
とはいえ、土地価格・建物価格の上昇している中で、予算内に収めるために広さを重視すると、どこかで「質」を落とさざるを得ません。
それは、私が考える家づくりとは大きく異なります。
広さよりも、暮らしの質を優先する。
そのために私は、あえてコンパクトな家を建築しました。

コンパクトにすることで、広さ以上に居心地の良い空間になったと感じています。
こちらの記事で詳しく紹介しています。
でも実際、27坪って狭くない?
私が実際に27坪の家に住んでみて感じたのは、快適さは広さだけでは決まらないということです。
大きく影響するのは、「居場所」と「視線」の計画でした。
居場所がどれだけあるか
一つの大きな空間があるよりも、小さくても「過ごせる場所」が分散していくつもある方が、暮らしは豊かになります。
どこで過ごすかを選べることが、心地よさにつながると感じています。
こちらの記事では、小さな家でどのように居場所を計画したかを紹介しています。
視線を設計することで快適な暮らしが手に入る
狭く感じるか・広く感じるか、その違いを生むのは「面積」ではなく「視線」です。
大きな窓をつけても、外からの視線が気になって結局カーテンを閉めたまま。それではせっかくの開口も意味がありません。
重要なのは、どこに視線が抜けるかを丁寧に設計することです。
我が家の敷地はこの写真のように、隣家に囲まれた状況です。
ぱっと見た印象は、「少し閉じた土地」
開放感や明るさを確保するには、難しさのある条件でした。
ですが、このときに考えたのは
「この土地だからこそできる設計は何か?」
ということです。
条件が良い土地であれば、ある程度は自然に解決される部分もあります。
しかし、この敷地ではそうはいきません。
だからこそ、「光の取り入れ方や視線の抜き方」を意図的に設計する必要がありました。

完成した我が家は、この環境の中でもまるでcafeのような居心地の良い快適な空間をつくることができました。
視線を上手に設計することができれば、下の動画のように狭小地でも快適に暮らすことができます。
坪庭とつながる、ルーフバルコニー。
外に出ているのに、
どこか“室内の延長”のような感覚。
視線は空へ抜けながら、
足元では坪庭の緑とつながっている。
広さはなくても、
居場所はちゃんとつくれる。
27坪の住まいで考えた、
“抜け”と“つながり”の設計。
視線をデザインする方法をこちらの記事で詳しく紹介しています。
