27坪の狭小地でも開放感はつくれる?一級建築士の夫が考えた坪庭と視線の設計
わが家は、住宅やアパートに囲まれた敷地約27坪の土地に建っています。
まずは、家が建つ前の土地をご覧ください。

どう思いますか…?笑
初めてこの土地を見たとき、私は正直、
「周りに家がいっぱいあるなぁ……」
「日当たりが悪そう……」
「やっぱり27坪って小さいなぁ……」
と思いました。
駅から近く、価格も予算に合っていたので、候補の中では第一希望の土地でした。
でも、土地だけ見ると不安なことが多い場所でした。

立地的には条件にピッタリなんだけど…この土地で本当に大丈夫なのかな……。
ここにどんな家が建つのか、全然想像できませんでした。(。・-・。)
そんな土地に、一級建築士の夫が設計したのが今のわが家です。


実際に暮らしてみると、周囲を建物に囲まれていることは、思っていたほど気になりません。
日中も夜も、外からの視線をほとんど気にせず過ごせています。

カーテンを閉めずに過ごせています。
たったそれだけでも、意外と心地よいことに気がつきました。
夫がこの土地で考えたのは、単に家を広くしたり、窓を大きくしたりすることではなかったそうです。
「家の中から、どこを見るのか」
そのために計画したのが、わが家の中心にある坪庭でした。
この記事では、27坪の土地に坪庭をつくった理由や、窓・壁・ルーバーをどのように計画したのかについて、実際の住み心地と一緒に紹介します。
周囲を建物に囲まれた27坪の敷地
改めて、土地の紹介から。
わが家は札幌市にある、敷地約27坪・延床約27坪の家です。
周囲には住宅やアパートがあり、遠くまで見渡せるような眺望はありません。
東側と南側には隣家が近接しています。
私にとって、この土地の印象はあまり良いものではありませんでした。
| 良かったところ | 気になったところ |
|---|---|
| 駅から近い | 敷地が約27坪と小さい |
| 土地の価格が予算に合う | 周囲に建物が近接している |
| 希望する立地条件に合う | 日当たりや視線が心配 |
夫は、こうした土地の条件を確認したうえで、間取りを考えていたようです。
周りに建物があるからこそ、窓をどこに設けて、何を見せるかが重要になるんだ。
この土地なら、外にある景色を期待するよりも、敷地の中に見たい景色をつくる方が良いと思ったよ。
だから早々に坪庭を計画することを決めていたんだ。

さすが一級建築士……。笑
土地を見て不安になっていた私とは、ずいぶん考えていることが違ったみたいです。

わが家がこの土地を選んだ理由や、購入前に考えたことはこちらの記事で紹介しています。
大きな窓があれば開放的になると思っていました
家づくりを始めた頃、私は窓が大きい家に憧れていました。
以前、友達に付き添って住宅展示場へ行ったことがあるのですが、大きな窓のあるリビングはとても素敵に見えたんです。(・_・) ステキ
窓が大きい方が明るそうですし、部屋も広く感じそうですよね。
でも夫は、窓の大きさだけでなく、窓の向こうに何が見えるかを気にしていました。
大きな窓をつくっても、正面に隣家の窓があれば、視線が気になってカーテンを閉めたくなるよね。
だから窓の大きさだけではなく、位置や向き、窓の先に何が見えるかを考える必要があるんだ。

「視線の抜け」ってどういうこと?
夫は設計中、「視線の抜け」という言葉をよく使っていました。
これは、部屋の中から見たときに、視線がどこまで続くのかということなんだそうです。(˘•ω•˘)ヘェ
例えばこの写真のように、窓のすぐ先が隣家の外壁なのか、それとも庭の緑や空が見えるのか。

同じ大きさの窓でも、その先に隣家の外壁が見えるのか、庭の緑や空が見えるのかで、部屋の印象は変わります。
視線の抜けは、必ずしも遠くまで見渡せることだけじゃないかなって思ってるよ。
隣家の窓など、見せたくない方向は避けながら、庭の植栽や空へ視線が続くように計画したんだ。

確かに、わが家の土地で大きな窓をつけるだけだったら、隣家がよく見える部屋になっていたかもしれません。笑
窓の大きさだけでなく、その先に何が見えるのかも大切なんですね。(。・ω・。)
27坪なのに、なぜ坪庭をつくったの?

わが家の特徴を一つ挙げるなら、やっぱり坪庭です。
建物に囲まれた敷地の中に、小さな外部空間を設けています。
とはいえ、坪庭をなくせばLDKを20畳以上に広げることもできたそうです。
なので間取りを見たとき、私は少し疑問でした。

ただでさえ土地が小さいのに、庭までつくる必要があるの?
それでも夫が坪庭を計画したのには、理由がありました。
きっかけは、以前泊まった旅館の景色
以前、夫婦で旅行に行ったとき、泊まった旅館から見た景色がとてもきれいだったんです。
ちょうど紅葉の時期で、私も気に入っていた場所でした。

夫は、そのときの景色が印象に残っていたようです。
外に良い景色がないなら、敷地の中につくればいいと思ったんだ。
前に泊まった旅館みたいに、部屋の中から庭を眺められるようにしたかったんだよね。

そう言われると、確かにあの旅館の景色は素敵でした。
ただ当時の私は、旅館の景色とわが家の27坪の土地がどう結び付くのか、いまいち想像できませんでした(笑)。
坪庭には5つの役割がある
夫が坪庭に持たせた役割は、主に次の5つです。
- 隣家からの視線を外壁やルーバーで遮る
- 住宅に囲まれた敷地の中へ光を取り込む
- 寝室や浴室から緑を眺められるようにする
- 2階から空が見えるようにする
- 室内から外へ視線が続く場所をつくる
単に植栽を植えた小さな庭ではなく、間取りや窓の位置と一緒に考えられていたんですね。
ちなみに坪庭の位置も最初から決まっていたわけではなくて、道路側の西に設ける案と、隣家側の東に設ける案を比較して、現在の東側に決めたそうです。
坪庭の位置が変わると、各部屋からの見え方や日当たり、外からの視線も変わるんだ。
平面図だけではなく、立面や断面も確認しながら検討したよ。


坪庭を西側と東側のどちらに設けるか比較した内容は、別の記事で詳しく紹介しています。
1階|寝室とお風呂から坪庭が見える

わが家の1階には、坪庭に面して寝室と浴室があります。
寝室の窓から見えるのは、隣家の窓ではなく、坪庭の植栽やわが家の外壁です。
朝、目が覚めたときに庭が見えるのは、気に入っているところの一つです。(๑•ᴗ•๑)
じつは家づくり中、私は寝室の窓をそれほど重要だと思っていませんでした。
寝るための部屋だから、窓がなくてもいいんじゃないかなと思っていたくらいです(笑)。
でも、実際に暮らしてみると、朝起きたときに窓から庭が見えるのはいいものだということに気がつきました。
夫がこだわった造作のお風呂

もう一つ、坪庭との関係を考えてつくられたのがお風呂です。
わが家のお風呂は造作で、坪庭を眺められるように窓が設けられています。
外壁やルーバーで周囲からの視線を遮っているため、入浴中も外からの視線は全く気になりません。

お風呂から坪庭が見えるのは、本当に気に入っています。
旅館のお風呂みたいで、ついつい長く入りたくなります。(。・ω・。)
夫はかなりのお風呂好きで、多い日は1日に3〜4回入ることもあります。
そこまでお風呂が好きな夫なので、浴室の設計にも力を入れていたようです(笑)
わが家は隣家に囲まれた土地ですが、外壁やルーバーで囲った自分たちの敷地に向かって窓を設けることで、外を眺めながら入浴できています。
2階|リビングから空やルーフテラスが見える
2階には、約17畳のLDKがあります。
坪庭の上部は吹き抜けになっていて、2階からは空が見えます。
さらに、ダイニングからリビング、その先のルーフテラスへと視線が続くように計画されています。

最初に17畳と聞いたとき、私は少し狭いのではないかと心配していました。
友人から「20畳でも狭く感じる」と聞いていたこともあって、坪庭をなくしてLDKを広げた方がいいのではと思ったこともあります。
でも、今のところLDKを狭いとは感じていません。
LDKの面積は約17畳だけど、窓の先に坪庭や空、ルーフテラスが見えるようにしているんだ。
部屋の広さだけでなく、座った場所からどこまで見えるかも考えているよ。


確かに、ソファに座っていても、壁だけで景色が終わるわけではありません。
窓の向こうに空や外部空間が見えることで、部屋が実際の畳数より広く感じられる部分もあるのかなと思っています。

2階リビングにした理由や、実際に暮らして感じている不便についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
視線を遮る壁やルーバーは、どのように決めたの?
隣家からの視線を避けるために、わが家では外壁やルーバーを設けています。
私は最初、周囲から見られたくないなら、高い壁で全部隠せばいいのではと思っていました。
でも、夫によるとそう単純ではないそうです。
壁を高くしすぎれば今度は光が入りにくくなったり、圧迫感が出たりする場合があります。
隣家の窓が見える方向は遮りたいけど、空や光まで遮ってしまったらもったいないよね。
だから、どこを隠してどこを開けるかを考える必要があるんだ。

わが家では、主に次のように調整しています。
- 隣家の窓など、視線が気になる方向は外壁やルーバーで遮る
- 空が見える方向は、できるだけ開放する
- 寝室や浴室からは坪庭の植栽が見えるようにする
- 2階LDKからはルーフテラスへ視線が続くようにする
夫は平面図だけでなく、立面図や断面図も使いながら検討していました。
私は図面を見ても完成した状態をうまく想像できなかったので、住んでから分かったことの方が多いです。
実際に暮らしてよかったのは、カーテンを閉めずに過ごせること

視線の工夫について、暮らしてから特によかったと思っていることがあります。
それはカーテンを閉めずに過ごせることです。
以前は夜になったらカーテンを閉めるのが当たり前だと思っていました。
でもわが家では日中だけでなく、夜も外からの視線をあまり気にせず過ごせています。
室内の方が明るくなる夜は、外から家の中が見えやすくなるものです。
だからこそ、窓の位置や周囲からの見え方まで考えられていることが重要なんだそうです。
窓を計画するときは、昼間だけでなく、夜に照明をつけた状態も考える必要があるんだ。
昼間は気にならなくても、夜になると外から室内が見えやすくなるからね。

私としては、カーテンの開け閉めをしなくてよいのも楽ですし、夜でも窓の向こうが見えることを気に入っています。
ルーフバルコニーも外からの視線が気になりにくい

2階のルーフバルコニーも、お気に入りの場所です。
周囲には住宅やアパートが建っていますが、外壁の配置によって、バルコニーで過ごしていても視線が気になりにくくなっています。
私にとっては、人目を気にせず外に出られる場所があることがうれしいです。
これも、家の中だけでなく外に出たときの見え方まで考えた設計によるものだと思います。

わが家には、ルーフテラスのほかにも、夫婦それぞれがお気に入りの場所があります。
27坪の家につくった4つの居場所については、こちらの記事で紹介しています。
ただし、南側の隣家の窓は少し見えます
ここまで読むと、周囲の建物がまったく見えない家のように感じるかもしれません。
でも、実際にはそうではありません(笑)。
東側の隣家は、坪庭の外壁によってほとんど気になりません。
一方、南側の建物については、ダイニングの一部の席から隣家の窓が少し見えます。

ダイニングのある席に座ると、隣のお家の窓がちょっと見えるんです。
でも今のところ視線が気になったことはありません。(´・ω・`)

お相手側にとって、こちら側は北側です。
方位的におそらく、洋室がわが家の方に配置していると思うから、そんなに視線は気にならないんじゃないかな?

夫は、向かい合う窓の位置や方位などを考えて、問題になりにくいと判断したそうです。
ただ、相手の部屋の使い方までは分からないので、実際に暮らしてみないと判断できない部分もあります。
同じダイニングでも、座る席によって見え方が違います。
ソファから見える景色、キッチンに立ったときの景色、部屋を歩いているときの景色もそれぞれ違います。
全部の位置から隣家が見えないようにすることは、なかなか難しいのだと思います。
そして、すべてを壁で隠してしまえば今度は空や光も遮られてしまいます。
わが家では南側の窓が少し見えますが、そのことで不便を感じているわけではありません。
このあたりは、夫が窓や壁の位置を調整しながら判断した部分なのだと思います。
一級建築士の夫が考えた、視線の設計で大切な3つのこと
ここまでわが家の実例を紹介しました。
では、これから家を建てるときには、どんなことを確認すればよいのでしょうか。
夫が設計で意識していることを3つにまとめました。
①,窓の前ではなく、普段いる場所から見る

窓の前に立って外を見るだけじゃなくて、ソファやダイニング、キッチンなど、普段過ごす場所から何が見えるかを確認することが大切だよ。

同じ窓でも、部屋のどこにいるかによって見えるものが変わります。
間取りを考えるときには、家具の配置も含めて確認しておきたいところです。
② 窓の大きさより、窓の先に何が見えるかを考える

隣家の窓が正面に来るなら、窓の位置をずらしたり、壁やルーバーで視線を遮ったりする方法があるよ。
窓の大きさだけでなく、外の条件に合わせて考えることが必要なんだ。

わが家の坪庭も、外に見たい景色がないことから考えられた方法でした。
必ずしも坪庭が必要なのではなく、周囲の環境によって設計方法は変わります。
③ 昼間だけでなく、夜の見え方も考える

昼間は外の方が明るくても、夜は室内の照明によって家の中が見えやすくなる。
だから、夜の視線についても確認しておきたいね。


私も、家を建てる前は夜の窓からの見え方まで考えたことがありませんでした。
今はカーテンを閉めずに過ごせることを気に入っていますが、それも外からの見え方を考えて設計されているからなんですね。
坪庭をつくれば、どんな家でも広く感じる?

わが家では坪庭をつくってよかったと思っています。
ただ、小さな家なら必ず坪庭をつくるべきだとは思いません。
土地がもっと広くて、庭や外の景色を十分に楽しめるなら、坪庭は必要ないかもしれません。
坪庭があれば広く感じるというわけではないよ。
室内からどう見えるか、どの部屋とつながっているかまで考えないと、せっかく庭をつくっても十分に生かせないことがあるんだ。

わが家の場合は、寝室と浴室から植栽が見えて、2階LDKからは空が見えるようになっています。
坪庭を単独で考えたのではなく、各部屋との関係を考えて配置したことが良かったのだと思います。
まとめ|27坪の土地でも、窓の先に見えるものは工夫できる
初めてこの土地を見たとき、私は周囲の建物や日当たりの悪さが気になっていました。
27坪という敷地の小ささも心配でした。
でも、実際に完成した家では、
- 寝室から坪庭の緑が見える
- お風呂から外を眺められる
- 2階LDKから空やルーフテラスが見える
- 日中も夜もカーテンを閉めずに過ごせる
といった暮らしができています。
南側の隣家の窓が少し見える場所もありますが、今のところ大きな不満はありません。
夫はこの土地に合わせて、窓や壁、ルーバー、坪庭の位置を検討していたんですね。
家づくり中の私は、図面だけでは完成した家を想像できませんでした。
でも、実際に暮らしてみると、夫が「視線の抜け」を気にしていた理由も少し分かった気がします。
土地の広さや窓の大きさだけでなく、家の中から何が見えるのか。
これから家を建てる方は、間取りを見るときに、ソファやダイニングに座った位置からどんな景色が見えるのかも確認してみてください。
また、土地を購入する前に、周囲の建物や日当たり、窓の位置について住宅会社や建築士に相談しておくことも大切だと思います。
私自身、土地だけを見たときには、今の家をまったく想像できませんでしたから(笑)。
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わが家の土地は、周囲を住宅やアパートに囲まれた約27坪の小さな土地です。
私が土地を見たときには、今のような家が建つとは想像できませんでした。
土地を見るだけでは、どんな家が建つのかって分からないものですね。
だからこそ、購入する前に建物のことも考えておく必要があるんですね。(。・ω・。)







