このサイトは小さな家の暮らしについて、自邸をベースにご紹介しています。

私は2025年に、敷地・延床ともに27坪の自邸を設計・建築しました。一級建築士として設計し、施主として暮らしているから経験を元に、広さに頼らない家づくりを発信しています。

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27坪でも快適に暮らせるのか

27坪の小さな家、本当に快適に暮らせるのでしょうか。

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視線をデザインする家|狭小地の坪庭がもたらす開放感

kentikun

この家は、27坪の住宅地の中に建っています。

私はこの場所で、今こうして仕事をしています。

外に面しているのに周囲の視線はまったく気にならなず、カーテンも閉めていません。

光が入り、風が抜け、静かに時間が流れる空間です。

ですがこの家は、住宅やアパートに囲まれた「27坪の土地」に建っています。

決して、開けた土地ではありません。

多くの人が、狭小地の住宅でこう感じます。

  • 窓をつけても外が気持ちよくない
  • 日中でもカーテンを閉めてしまう
  • 思ったより開放感がない
  • 家が実際より狭く感じる

これは単純な面積の問題ではありません。

結論から言うと、住宅の快適さを左右しているのは「視線がどこで終わるか」です。

私の自邸は、住宅やアパートに囲まれた敷地27坪の土地に建っています。

敷地に対して建物を近接して建てることができる地域で、周辺環境の影響を強く受ける敷地条件です。

(※更地の敷地状況がこちら)

住宅・アパートに囲まれた27坪の我が家の敷地

ですが我が家は、カーテンに頼らない開放的な暮らしが実現できます。

建物に囲まれた狭小地でも、

日中だけではなく、夜でもカーテンを閉めずに開放的な生活を送ることができています。

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カーテンが閉まる家は設計で決まっている

カーテンを閉じる理由の本質は、

  • 視線の先に安心できる風景がない
  • 外からの視線が常に存在する
  • 視線の行き場がない

この3つに集約されます。

つまり、

カーテンの有無は「暮らし方」ではなく「視線設計」で決まるということです。

自邸の条件|囲まれた27坪の敷地

狭小地とまでは言えないサイズ感ですが、一般的な感覚では「迷わず買える土地」とは言い難いサイズ感の土地だと思います。

それでいて冒頭にある写真のように、どこもかしこも建物に囲まれ、視線の抜けや眺望の良い場所はほとんどありません。

私の選んだ土地は、眺望のある土地ではなく、むしろネガティブ要素がたくさんある土地です。

  • 建物に囲まれた土地
  • 視線の抜けがほとんどない土地
  • 典型的な都市型環境の土地

なのですが、、

じつはこの記事を書いている今、こんな環境で作業をしています。

いかがでしょうか。

先ほどの土地からは想像できない暮らしです。

周りの視線が全く気にならないので、夜でもカーテンを閉めない暮らしを送っています。

じつはここが我が家の計画の軸になっている坪庭です(動画は坪庭上部の吹き抜け空間です)

リビングからはこのように見えます。

この土地を見て私がまず最初に考えたのは、性能や間取りではなく、

「この家で、どこを見て暮らすのか」でした。

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視線は「空間の広さ」を決める

重要なのは、空間の広さは面積では決まらないということです。

空間の印象は、

  • 視線がどこまで伸びるか
  • 視線がどこで止まるか
  • 視線が閉じているか、抜けているか

つまり、狭さとは“物理量”ではなく“視線の終点”で決まる、と思っています。

自邸のリビングの窓から隣家が見えていたら、間違いなく日中でもレースカーテンを閉めっぱなしにしていて、視線がカーテンで止まっていたと思います。

光を取り入れ・視線を遮る“坪庭”|外ではなく内に開く

なので私が計画初期から考えていたのが、建物と一体になる外空間、「坪庭」という考え方です。

  • 隣家の視線を遮る目隠し壁
  • 建物に囲まれた中庭空間
  • 室内から連続する“もう一つの外”

視線を遮るのではなく“制御する”

この計画のポイントは「完全に遮る」ではありません。

ルーバーや壁によって、

  • 必要な光は通す
  • 見せたくない方向は隠す

これにより、外の視線を気にせず、光と開放感だけを取り込む構成にしています。

結果として、空間の連続性が生まれ、個人的にはとても満足のいく計画となりました。

坪庭があることで心地の良い空間になり、妻も大喜びです。

一級建築士 ドル
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断面的なイメージはこんな感じです。

立面・断面計画

そして、実際に住んでからの視点が先ほどの動画と写真です。

黄色い建物の屋根のてっぺんだけがちょっと見える程度になりました。

完成後の暮らし|坪庭が“居場所”になる

実際の暮らしでは、この坪庭が中心的な空間になっています。

  • 天気の良い日はコーヒーを
  • バルコニーと繋がる中間領域として
  • 夜は焼肉など屋外リビングとして活用

単なる「外部空間」ではなく、生活の拡張として機能する場所になりました。

ダイニングから坪庭側を見るとこんな感じです。

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南側の建物をルーバーで隠しています。

2階リビングについてこちらの記事で詳しく紹介しています。

あわせて読みたい
27坪の2階リビング|一級建築士が感じた後悔と、それでも採用した理由
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小さな失敗|完全ではない“抜け”

東側の黄色い建物側は坪庭と外壁で存在感を消すことができました。

一方で、南側の家建物は完全には消しきれず、立ち位置によっては窓がわずかに見える場合もあります。

とはいえ、相手にとってこちらは北側。

小さめな窓なので、視線が気になるほどではありません。

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「抜け」が空間の広さを決める

「抜け」があるだけで、広さの感じ方は変わります。

視線が室内で止まらず、奥へと伸びていくことで、実際の面積以上に空間が広く感じられます。

我が家ではこの坪庭がまさにその役割を果たしており、室内と外が分断されず、ひとつの空間が連続して感じられます。

まとめ|狭小地の本質は“視線設計”

狭小地の住宅というと、「狭いから仕方ない」と考えられがちです。

しかし実際に暮らしてみると、ストレスに感じるのは“広さ”そのものではなく「視線」であることに気づきます。

隣家や道路からの目線が気になることで、カーテンを閉める時間が増え、光や開放感が失われてしまう。

  • 視線が抜けないこと
  • カーテンを閉めることで光が閉じる
  • 外と切り離された室内空間

結果として、狭小地に建てたことの後悔に繋がります。

ですが私が自邸で実践したように、外に開くのではなく「内に外をつくる」ことで、カーテンに頼らない暮らしが成立し、面積以上に広い空間になります。

「抜け」を設計できるかどうかで、家の体験は変わります。

物理的な「狭さ」を解消するのではなく、設計の工夫で“狭さの感じ方”を変える。

それが視線をデザインする、という考え方です。

狭小地でも、工夫次第で暮らしは変わる。

その一つの答えが、「視線をデザインする」という考え方だと思います。

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一級建築士|ドル
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27坪の狭小地に自邸を設計し、現在も実際に暮らしています。
広さに頼らず、視線や居場所のつくり方で暮らしの質が変わることを実感しています。
その経験をもとに、限られた条件でも豊かに暮らせる住まいを設計します。
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