このサイトは小さな家の暮らしについて、自邸をベースにご紹介しています。

私は2025年に、敷地・延床ともに27坪の自邸を設計・建築しました。一級建築士として設計し、施主として暮らしているから経験を元に、広さに頼らない家づくりを発信しています。

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はじめての家づくり

家づくりで、本当に優先すべきことはなんでしょうか。

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27坪でも快適に暮らせるのか

27坪の小さな家、本当に快適に暮らせるのでしょうか。

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広さに頼らない設計

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「高性能=快適」とは限りません。

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実例|27坪の暮らし

一級建築士×施主として、住み始めて初めて分かったこと。

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27坪でも十分|一級建築士が自邸で実感したコンパクトな家のメリット・デメリット

kentikun

「27坪の家では狭い。」

家づくりを考え始めると、そう感じる方は多いのではないでしょうか。

実際、私も自分の家を設計していた頃は、「住み始めたら狭く感じるかもしれない」と思っていました。

妻にも「たぶん住み始めたら狭いって言うと思うよ」と話していたほどです。

しかし、2025年に敷地27坪・延床27坪の自邸で暮らし始めると、それは大きく変わりました。

もちろん広い家ではありません。

それでも、実際に暮らしてみると、不満はほとんどなく、想像以上に快適でした。

その理由は、

  • 視線の抜けをつくったこと
  • 2階LDKを採用したこと
  • 家の中に居場所を点在させたこと

この3つの設計にあります。

私は一級建築士として住宅を設計していますが、自分の家でも「広さ」ではなく「暮らしの質」を優先しました。

この記事では、建築士であり施主でもある立場から、

  • 27坪でも快適に暮らせた理由
  • 実際に感じたメリット・デメリット
  • 狭さを感じにくくするための設計の工夫

を、実際の間取りや暮らしの様子を交えながら詳しくご紹介します。

27坪でも、夫婦〜3人家族程度であれば十分に快適な住まいは実現できます。

重要なのは床面積ではなく、

  • 視線の抜け
  • 光の取り込み方
  • 居場所のつくり方

といった設計です。

もし今、「豊かな暮らし=広い家」と思われている方がいれば、本記事が家づくりの選択肢を広げるきっかけになるかもしれません。

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27坪が成立する大前提|3人家族以下

我が家の模型(2階)

少人数世帯|夫婦 or 夫婦+子1人

まず最初にお伝えしたいことがあります。

27坪という広さは「すべてのご家庭におすすめできるわけではない」

ということです。

この広さが無理なく成立するのは、

  • 夫婦2人暮らし
  • 夫婦+子ども1人

このくらいの世帯がちょうど良いのだと思います。

家族が増えれば、それぞれの居場所や収納、プライバシーも必要になります。

そのため、家族構成に合わせて家の大きさが変わるのは、ごく自然なことです。

我が家は現在、夫婦2人暮らしです。

将来のライフスタイルの変化も考え、来客用や子ども部屋としても使えるよう、2LDKで計画しました。

もちろん、子どもが2人以上いるご家庭では、27坪という広さでは窮屈に感じる場面もあると思います。

だからこそ、「小さい家が正解」という話ではありません。

大切なのは、家族構成や暮らし方に合った広さを選ぶことです。

住宅価格が上がり続ける今、以前なら35坪や40坪が当たり前だった家づくりも、一度立ち止まって考えてみる価値があるのではないでしょうか。

家族の人数や暮らし方を見つめ直した結果、27坪という選択肢がちょうど良いという方も、これから増えていくのかもしれません。

家族にとって本当に必要な広さを考えることが、満足度の高い家づくりにつながると感じています。

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平面図の全体像|間取りで意識した3つのポイント

まずは、我が家の間取りをご紹介します。

限られた27坪という面積の中で意識したのは、「部屋を増やすこと」ではなく、面積以上の広がりを感じられる空間をつくることでした。

広い家を目指すのではなく、コンパクトだからこそ快適に暮らせる構成です。

1階平面図

1階平面図

1階には

  • ガレージ
  • エントランス
  • シューズクローク
  • 寝室
  • 浴室
  • ランドリー
  • トイレ

を配置しています。

生活に必要な機能をコンパクトにまとめながらも、家の中心には坪庭を計画しました。

寝室や浴室から緑を眺められるようにすることで、限られた面積でも閉塞感を感じにくい空間を目指しています。

2階平面図

2階平面図

2階にはLDKを配置しました。

坪庭の上部は吹き抜けとなっており、ダイニングやリビング、ルーフテラスまで視線がつながります。

床面積は決して広くありません。

それでも、「どこまで視線が抜けるか」を意識することで、実際の畳数以上の広がりを感じられるように計画しています。

視線の抜けについてこちらの記事で詳しく紹介しています。

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空間構成|立面図・断面イメージ

平面図だけでは分かりにくいので、立面・断面で見るとこのような構成になります。

立面と断面イメージ

坪庭を中心に上下階がゆるやかにつながり、家全体に光や風、視線が巡る計画です。

住む前から「こんな暮らしができそうだ」と想像していましたが、実際に暮らしてみると、想像以上に心地よい空間になりました。

ルーフテラスで仕事をしたり、夫婦で焼肉を楽しんだり。

27坪という数字だけでは想像できない豊かさを感じています。

この間取りで意識した3つのポイント

この家で大切にした考え方は、大きく3つあります。

自邸の3つのポイント
  1. 坪庭を中心にした”視線の抜け”をつくること
  2. 2階LDKで光とプライバシーを確保すること
  3. できるだけ居場所をつくること

どれも、床面積を広くするための工夫ではありません。

限られた面積でも、心地よく暮らすための工夫です。

ここからは、それぞれについて詳しくご紹介します。

ポイント①|坪庭を中心にした“抜け”のある空間構成

リビング続きのルーフテラスから坪庭を見る

この家で最も大切にしたのが、坪庭を中心に空間を構成することです。

27坪という限られた面積では、床面積を増やすだけでは広さに限界があります。

そこで私が考えたのは、「広い家」を目指すのではなく、広く感じる家をつくることでした。

そのために計画したのが、家の中心に配置した坪庭です。

この土地で家づくりを考え始めた頃から、「坪庭をどこに配置すれば最も効果的か」を何度も検討し、この家の計画は坪庭ありきで進めてきました。

道路に面した西側案・正反対の東側案、採用したのは東側案ですが、その経緯を詳しくこちらの記事で紹介しています。

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周囲を住宅に囲まれた敷地では、窓の先に景色を期待することはできません。

だからこそ、自分たちの敷地の中に”内側の外部”をつくることで、視線の抜けを生み出しています。

寝室、お風呂、ダイニング、リビング。

家のさまざまな場所から坪庭を眺められるようにすることで、どこにいても外とのつながりを感じられる空間になりました。

床面積は変わりませんが、視線が奥へ抜けるだけで、体感的な広さは大きく変わります。

これは実際に暮らしてみて、改めて実感したことです。

また、玄関から廊下の正面にも坪庭を配置しているため、帰宅した瞬間から奥行きのある空間に感じられるのも、この間取りの特徴です。

広さは数字だけでは決まりません。

どこまで視線が抜けるか、どこに外とのつながりをつくるか。

そうした設計の積み重ねが、27坪というコンパクトな家でも、想像以上の心地よさにつながっていると感じています。

ポイント②|2階LDKで光とプライバシーを確保

我が家では、LDKを2階に配置しています。

理由は、限られた敷地条件の中で、できるだけ明るく開放的な空間をつくりたかったからです。

1階にはガレージや玄関、シューズクローゼットなど、どうしても配置しなければならない空間があります。

そのため1階にLDKを計画すると、どうしても面積が限られ、窮屈な空間になってしまいます。

さらに、我が家は周囲を住宅に囲まれた狭小地です。

1階では十分な採光を確保しにくく、外からの視線も気になりやすい環境でした。

そこでLDKを2階へ配置することで、光を取り込みやすくすると同時に、プライバシーも確保しています。

実際に暮らしてみると、この選択は想像以上に快適でした。

朝から自然光が入り、カーテンを閉め切ることなく過ごせる時間が多くなりました。

また、隣家からの視線を気にすることがほとんどなく、リビングやダイニングでゆったり過ごせるのも大きなメリットです。

もちろん、2階リビングには階段の上り下りなどデメリットもあります。

しかし、我が家のように周囲を建物に囲まれた敷地では、それ以上に得られるメリットの方が大きいと感じています。

敷地条件に合わせて間取りを考えることで、限られた面積でも快適なLDKをつくることができました。

商業地域では建物同士が近接するケースも多く、我が家も隣家との距離は決して広くありません。

そのような敷地だからこそ、2階にLDKを配置したことで、採光やプライバシーを確保しやすくなりました。

2階リビングに実際に暮らして感じたことは、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

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ポイント③|できるだけ居場所をつくる

ダイニング一角の書斎コーナー

この家では、「部屋を増やす」ことよりも、家の中に居場所を増やすことを意識して設計しました。

ここでいう居場所とは、リビングのような大きな空間だけではありません。

  • なんとなく本を読める場所
  • 少し仕事ができる場所
  • ぼんやり外を眺められる場所
  • 家族の気配を感じながらも、一人の時間を過ごせる場所

そんな、目的を決めすぎない”余白のある空間”のことです。

実際の暮らしでは、家族がいつも同じ場所で過ごすわけではありません。

  • 少し一人で考えごとをしたいとき。
  • スマートフォンを眺めながらのんびりしたいとき。
  • 仕事や読書に集中したいとき。
  • 家族と一緒にいたいけれど、少しだけ距離を取りたいとき。

暮らしの中には、そんな時間が意外とたくさんあります。

だからこそ、「この部屋は○○専用」と用途を限定するのではなく、その時の気分に合わせて自然に居場所を選べる家にしたいと考えました。

例えば、ダイニングの一角にある書斎コーナー。

ふとした時に仕事をしたり、本を読んだりと、自然に使う場所になっています。

妻には、小さな籠もり部屋をつくりました。

プロジェクターで映画を観たり、野球中継を楽しんだり、推しのライブを見たり、一人の時間を満喫できるお気に入りの場所になっているようです。

また、天気の良い日はルーフテラスで仕事をしたり、夫婦で焼肉を楽しんだり。

家の中だけでなく、屋外にも居場所をつくることで、その日の気分に合わせて過ごす場所を選べるようになりました。

家が広いことと、居場所が多いことは、必ずしも同じではありません。

限られた面積だからこそ、一つひとつの場所に役割を持たせることで、暮らしの豊かさは大きく変わると感じています。

暮らし始めて感じたのは、「広いリビングがあること」よりも、「今日はどこで過ごそうかな」と自然に選べることの心地よさでした。

この家では、その日の気分によって過ごす場所が変わります。それが、毎日の暮らしを少し豊かにしてくれています。

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私は家づくりとは、「部屋を設計すること」ではなく、「過ごし方を設計すること」だと思っています。

居場所をつくることは別記事で詳しくご紹介しています。

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この家のメリット

27坪|我が家のメリット
  1. 坪庭によって、面積以上の広がりと心地よさを感じられる
  2. 建物にコストをかけやすく、空間の質を高められる
  3. コンパクトだから成立する動線と暮らし
  4. 1階で生活が完結でき、将来にも対応しやすい
  5. 光熱費を抑えやすい

坪庭によって、面積以上の広がりと心地よさを感じられる

実際に暮らし始めて、一番「計画して良かった」と感じているのが坪庭です。

設計中から、この家の中心になる場所だと考えていましたが、住んでみると想像していた以上に暮らしを豊かにしてくれています。

朝はダイニングから坪庭を眺めながらコーヒーを飲み、

昼は吹き抜けを通して変化する光を楽しみ、

夜はライトアップされた坪庭を眺めながらお風呂に入り、寝室では夫婦で一日の出来事を話しながら過ごしています。

同じ坪庭でも、時間帯によって見え方や雰囲気が変わるため、毎日の暮らしの中でも飽きることがありません。

ダイニング・リビングから坪庭空間を見下ろしたり、空間の抜けがあったり。

ダイニングから坪庭を見る

ダイニングは約6畳ほどの広さですが、視線が坪庭へ抜けることで、数字以上の広がりを感じています。

また、リビングだけでなく寝室や浴室からも外の気配を感じられるため、家全体に閉塞感がありません。

床面積は変わらなくても、視線の抜けや光の入り方によって、空間の感じ方は大きく変わる。

この家に住んで、そのことを改めて実感しました。

玄関を開けると、廊下の正面にも坪庭があります。

そのため、帰宅した瞬間から奥行きを感じられ、実際の廊下以上に広く見えるのも、この間取りのお気に入りのポイントです。

畳数を広げるのではなく、視線をどこまで伸ばせるか。

その方が、暮らしの満足度には大きく影響すると感じています。

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私にとって坪庭は、「眺める庭」であると同時に、この家全体の広がりを生み出してくれる大切な存在になっています。

建物にコストをかけやすく、空間の質を高められる

家をコンパクトにしたことで、一番大きかったのは空間の質にしっかりコストを掛けられたことです。

住宅は広くなるほど、床や壁、天井、設備など、あらゆる材料が増えていきます。

つまり、広さを求めるほど建築費も大きくなります。

だからこそ私は、面積を抑える代わりに、その分の予算を毎日の暮らしを豊かにする部分へ使うことを選びました。

例えばお風呂。

我が家では、はじめからユニットバスを採用するつもりはなく、ハーフユニットに板張りを組み合わせ、坪庭を眺めながら入浴できる空間にしています。

浴室と洗面脱衣スペース

お風呂の広さは、数字で見れば標準的な1坪サイズですが、毎日過ごす時間の満足度は想像以上でした。

賃貸住宅に住んでいた頃、妻はシャワーだけで済ませることがほとんどでした。

ところが、この家に住んでからは、ほぼ毎日浴槽に浸かるようになりました。

私はもともとお風呂が好きですが、この家では朝・昼・夕方・夜と、時間によって表情が変わる坪庭を眺めながら、一日に何度も入浴することもあります。

心地よく過ごせる空間になったことで、自然とそこで過ごす時間が増えました。

こうした小さな積み重ねが、暮らし全体の満足度につながっていると感じています。

広さを優先していたら、費用を捻出できず実現できなかったと思います。

毎日使う場所だからこそ、広さよりも「そこでどんな時間を過ごせるか」を大切にして良かったと感じています。

一級建築士 ドル
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面積を抑え、その分を空間の質を高めるという考え方については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

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面積を削って、質に使う|27坪の家で考えたコストの配分
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家づくりでは、「何を広くするか」よりも、「どこで心地よく過ごすか」の方が、暮らしの満足度に大きく影響する気がしています。

コンパクトだからこそ成立する動線と暮らし

コンパクトな家に住んで実感したのは、「広い家よりも、動きやすい家の方が暮らしやすい」ということです。

面積が小さい分、家の中を移動する距離は自然と短くなります。

  • 「物を取りに行く」
  • 「洗濯物を片付ける」
  • 「お風呂に入る」

毎日の何気ない動作でも、移動が少ないだけで想像以上に負担が減ります。

一つひとつは小さな違いですが、それが毎日積み重なることで、暮らし全体がとてもスムーズになりました。

また、我が家では寝室と浴室、ランドリーなどの水まわりを1階にまとめています。

帰宅して着替え、お風呂に入り、寝室へ向かうまでの流れがとても自然で、生活動線にも無駄がありません。

コンパクトな家だからこそ、一つひとつの動きを丁寧に考えられたことも、この家の大きなメリットだと感じています。

1階で生活が完結でき、将来にも対応しやすい

ただいま動線を考慮して、1階に水廻りを集約

もう一つ意識したのが、「将来も暮らし続けられる間取り」にすることでした。

現在は2階のLDKで過ごす時間が中心ですが、寝室や水まわりはすべて1階にまとめています。

そのため、将来的に階段の上り下りが負担になったとしても、生活の大部分を1階で完結させることができます。

もちろん、今すぐ必要になることではありません。

それでも、家は何十年と暮らす場所です。

将来の暮らし方まで少しだけ想像しておくことで、長く安心して住み続けられる家になると考えています。

今の暮らしだけではなく、10年後、20年後も見据えて間取りを考えたことは、この家づくりで良かったと感じているポイントの一つです。

家づくりでは「今の暮らし」に目が向きがちですが、将来も無理なく暮らせることも大切です。

毎日の動きやすさと、将来への備え。そのどちらも、この間取りで実現できたと感じています。

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掃除機をかけるのも短時間で終わるため、「掃除を始めるまでのハードル」が下がったように感じています。

光熱費を抑えやすい

コンパクトな家は、建築費だけでなく、住み始めてからのランニングコストにもメリットがあります。

家全体の容積が小さいため、暖めたり冷やしたりする空間が少なく、冷暖房の効率が良くなるからです。

特に北海道のような寒冷地では、この違いが毎月の光熱費にも表れてきます。

もちろん、光熱費は家の大きさだけで決まるものではありません。

断熱性能や気密性能、窓の性能、暖房設備など、さまざまな要素が影響します。

その中でも、「コンパクトであること」は、性能を活かしやすい大きな要素の一つだと感じています。

我が家では、高断熱・高気密に加え、ダクトレスの熱交換換気を採用しています。

その効果もあり、以前に設計したオーナー様のお住まいと比較すると、暖房費は月に約5,000円ほど抑えられている印象です。

毎月の差は決して派手ではありません。

しかし、それが5年・10年と積み重なることを考えると、住み始めてからの安心感につながっています。

住宅は建てることがゴールではありません。

何十年も暮らし続ける場所だからこそ、「建築費」だけではなく、「住んでから掛かるお金」まで含めて考えることが大切だと思っています。

広さを少し抑えたことで、建築費だけでなく、毎月の光熱費まで抑えられています。

住み始めてから実感するこうした積み重ねも、コンパクトな家の大きな魅力の一つです。

こちらの記事では我が家の暖房費を公開しています。

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熱交換換気を採用しているので、さらに光熱費(暖房費)を抑えることができています。

我が家はPanasonicのダクトレス熱交換器「IAQ-V」を採用しています。こちらでメリット・デメリットを詳しく解説しています。

換気については、我が家はダクトレス一種換気にしましたが、正直に申し上げると機械がシンプルな三種換気が良いかなぁと思うところはあります。そう思う理由についてもご紹介しています。

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家づくりでは、建てる時の価格に目が向きがちですが、住んでから何十年と掛かる光熱費も住まいの性能の一部です。

正直に感じているデメリット

ここまで27坪の家のメリットをご紹介してきましたが、もちろん良いことばかりではありません。

どんな家にも、メリットとデメリットがあります。

実際に暮らしてみて感じたのは、「何を優先するか」を決めた結果として受け入れているデメリットばかりだということです。

ここでは、住んでみて感じていることを正直にお伝えします。

27坪|我が家のデメリット
  1. 周辺環境の影響で、午後の日当たりは決して良いとは言えない
  2. 将来的な間取り変更などの可変性は高くない
  3. 外部空間の使い方が限定される

周辺環境の影響で、午後の日当たりは決して良いとは言えない

我が家は商業地域にあり、敷地境界線から周囲は近接した形で建物に囲まれています。

そのため、敷地条件として日当たりに恵まれているとは言えません。

LDKを2階に配置したことで採光は確保できていますが、お昼を過ぎると直射日光ではなく、間接光が中心になります。

もちろん生活に支障があるほど暗いわけではありません。

それでも、南側が大きく開けた住宅のような明るさを期待すると、物足りなく感じる方もいると思います。

ただ、この家は「一日中日当たりの良い家」を目指したわけではありません。

限られた敷地条件の中で、光の取り入れ方や空間の広がりを工夫し、できるだけ快適に暮らせることを優先した計画です。

その考え方には、今でも納得しています。

午後はやわらかい間接光になりますが、その落ち着いた雰囲気も私は気に入っています。

明るさだけではなく、その時間ならではの心地よさも、この家の魅力だと感じています。

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我が家の計画は「日当たりの良さを最大化する家」というよりも、限られた条件の中でどう快適性を確保するか、を追求しました。

午後のリビング窓際

将来的な間取り変更などの可変性は高くない

夫婦2人(+1人)で暮らすことを基本に考えて計画しているため、将来的に部屋数を増やすような大きな間取り変更には向いていません。

例えば、子どもや介護で住む人数が2人、3人と増えた場合には、部屋数や収納が不足する可能性は十分あり得ます。

そのため、この家は「ライフスタイルをある程度イメージした上で選ぶ家」だと思っています。

もちろん、その分だけ今の暮らしやすさは高められました。

何でも対応できる家ではありませんが、自分たちの暮らし方を明確にしたことで、無駄のない住まいになったと感じています。

外部空間の使い方が限定される

27坪という敷地では、一般的な庭のような広い外部空間を確保することはできません。

家庭菜園を楽しんだり、お子さんが思い切り遊べる庭をつくったりする暮らしには向いていないと思います。

我が家の坪庭は、「使う庭」というよりも、「眺める庭」です。

四季の変化や光の移ろいを楽しみ、室内に広がりを生み出すことを目的にしています。

つまり、庭に求める役割そのものが違います。

広い庭を優先するか。

室内の心地よさを優先するか。

その選択によって、家のつくり方も大きく変わると感じています。

家づくりにはすべてを満たす正解はなく、何を選び、何を手放すかが大切だと感じています。

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この家が向いている人・向かない人

向いている人

  • コストと性能のバランスを重視したい方
  • コンパクトでも快適に暮らしたい方
  • 空間の“質”に価値を感じる方

向かない人

  • とにかく広さに安心感を求める方
  • 3LDK以上必要と感じる方
  • 庭や家庭菜園など、敷地の余裕を重視したい方

手放すことがデメリットではなく、「それによって得られるもの」のメリットを考える方が、良い家づくりになるのではないかという気がしています。

まとめ|広さよりも“質”という選択

「家は広い方がいい。」

私自身も、以前はどこかでそう考えていました。

しかし、実際に27坪の家で暮らしてみると、その考え方は少し変わりました。

もちろん、広い家には広い家の魅力があります。

一方で、広さを少し抑えたことで、我が家ではこんなメリットを享受できています。

  • 性能や素材にしっかりとコストを掛けられたこと
  • 坪庭によって面積以上の広がりを感じられたこと
  • 動線が短く、毎日の暮らしが快適になったこと
  • 光熱費を抑えながら、長く住み続けられる家になったこと

など、数字では表せない多くの価値を得ることができました。

この家では、

「坪庭で視線の抜けをつくること」

「2階LDKで光とプライバシーを確保すること」

「家の中に居場所を点在させること」

といった工夫を積み重ねています。

どれも床面積を広げるためではなく、限られた面積の中で、どうすれば心地よく暮らせるかを考えた結果です。

もちろん、この家にもデメリットはあります。

午後の日当たりや将来の可変性、庭の使い方など、広い家であれば解決できることもあるでしょう。

それでも私たちは、それらを理解したうえで、「広さ」よりも「暮らしの質」を優先する選択をしました。

家づくりには、すべてを満たす正解はありません。

だからこそ大切なのは、「どんな間取りにするか」ではなく「そこで、どんな暮らしがしたいのか」を考えることだと思っています。

住宅価格が上がり続ける今だからこそ、「広さ」だけを基準にするのではなく、本当に自分たちに必要なものは何かを、一度立ち止まって考えてみる。

そんな家づくりも、一つの選択肢ではないでしょうか。

この記事が、これから家づくりを考える方にとって、広さだけにとらわれない住まいの考え方を見つけるきっかけになれば嬉しく思います。

もしこの記事を読んで、「自分たちの場合はどうだろう」と感じたことがあれば、お気軽にご相談ください。

土地選びや間取り、住宅性能など、営業ではなく一人の建築士として、一緒に考えさせていただきます。

相談してみたいけど、何を話せばいいか分からない。

そんな方のために、初めての設計相談でよくいただく質問をまとめました。

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27坪の狭小地に自邸を設計し、現在も実際に暮らしています。
広さに頼らず、視線や居場所のつくり方で暮らしの質が変わることを実感しています。
その経験をもとに、限られた条件でも豊かに暮らせる住まいを設計します。
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