条件が悪い土地は本当にダメ?一級建築士の夫が27坪の土地を選んだ理由

わが家は、敷地・延べ床面積ともに約27坪の小さな家です。
家を設計したのは一級建築士の夫。
そして、わが家が建っているのは、住宅やアパートに囲まれた小さな土地です。

初めて土地を見たときは、正直「ちょっと狭くない?」と思いました。
隣の家も近いし、日当たりも悪そう……。
ここに本当に家が建つの?って感じでした。(´・ω・`)
でも、この土地には私にとって大きな魅力がありました。
それは、駅から徒歩10分圏内という立地です。
私は家づくりをするとき、駅からの距離をかなり重視していました。
一方で夫が考えていたのは、この土地にどんな家が建てられるのか、ということでした。
そして最終的に購入したのが、約27坪、800万円台の土地。
不動産会社の方によると、約2年間売れなかった土地だったそうです。
この記事では、
- なぜ駅近立地なのに2年間売れ残っていたのか
- そんな土地をなぜ選んだのか
- 夫が購入前にどんなことを考えていたのか
- 実際に暮らしてみてどうだったのか
これらについてご紹介します。
27坪の土地を初めて見たときの印象

こちらが、家を建てる前の土地です。
どうでしょう…?笑
周りには住宅やアパートが建っていて、広々とした土地とは正反対の印象でした。
しかも、
- 敷地面積は約27坪
- 隣家との距離が近い
- 日当たりがあまり良くなさそう
- 前面道路は位置指定道路
という条件です。

土地だけ見ると、ちょっとネガティブな要素が多いですよね。
でも駅から近いという、私にとっては大きなメリットがありました。
悩ましいところです。(。・-・。)
土地を探すなら、日当たりが良くて、広くて、道路にも余裕があって、駅からも近い。
そんな場所が理想ですよね。
でも、希望する条件を増やすほど、土地の価格も高くなりがちです。(;ω;)
私たちの場合は、土地の広さよりも駅からの近さを優先したかったんです。
約2年間売れなかった土地だった
私たちが土地探しをしていた期間は、およそ1か月でした。
ポータルサイトや土地探しアプリを使いながら、毎日のように土地を探していました。
この土地は駅から近いこともあって第一希望だったのですが、すでに先に購入を検討していた方がいました。
なので私たちは一度、別の土地で話を進めようとしていました。
ところが、申し込みの直前に不動産会社から連絡が!
先に検討していた方が購入できなくなり、私たちに順番が回ってきたそうです。(;゚Д゚)ソンナコトアルノ?
その不動産会社さんに話を聞いてみると、この土地は約2年間売れなかったとのこと。
問い合わせは多かったものの、契約には至らなかったそうです。

駅から近いのに2年間も売れなかったんだ……。
やっぱり27坪って、家を建てるには小さすぎるのかな?(゚д゚)
土地が売れなかった理由は一つではないと思います。
土地の小ささ・周囲の建物との距離、日当たり、そして位置指定道路。
購入をためらう理由を考えれば売れない理由はいくつもあります。
それでも夫はこの土地に前向きでした。
なぜなら、購入前にこの土地に建てる家を検討していたからです。

土地購入までの詳しい経緯や、もう一つの候補地との比較は、こちらの記事でも紹介しています。
土地を買う前に、夫が間取りを描いていた

こちらが、土地を購入する前に夫が描いたラフプランです。
まだ正式な設計図ではなく、簡単なスケッチの段階でした。
でも夫は、この時点でいろいろなことを考えていたようです。
- 必要な部屋を配置できるか
- 駐車スペースを確保できるか
- どこから光を取り込むか
- 隣家からの視線をどう避けるか
- 庭や外部空間をどこにつくるか

土地を買う前から間取りを描くんだね。
土地の広さだけを見ても、どんな家が建つかは分からないからね。
特に小さい土地では建物の配置や駐車スペース、法的な制限によって計画が大きく変わることがあるんだ。
購入する前に希望する暮らしが成立するかを確認しておきたかったんだよ。

夫はこれまで住宅設計に携わってきたので、土地の条件を見ながら建物を考えることができました。
でも、私一人だったらどうでしょう。
いくら駅近を希望していたとしても、27坪という広さや隣の家との距離だけを見て、候補から外していたかもしれません。

夫が建築士じゃなかったら、この土地を買うのはかなり勇気が必要だったと思います。
土地だけ見ても、完成する家のイメージってなかなか湧かないですもんね。(´・ω・`)
今振り返ると、土地を購入する前に、どんな家が建てられるのか検討していたことは大きかったと思います。
もちろん、簡単な間取りが描けたからといって、必ずその通りに建てられるわけではありません。
建築基準法などの法的条件や、実際の工事費も確認する必要があります。
それでも、家の計画が見えてくると、土地の印象もずいぶん変わるものです。
条件の厳しい土地で、夫が考えた3つのこと
夫が土地を見ながら考えていたのは、ただ必要な部屋を敷地に収めることではありません。
この土地で、どんな暮らしができるのか。
特に工夫したのが、坪庭と2階リビング、そして駐車スペースの確保です。
隣の家が近いから、坪庭をつくった
わが家は隣家との距離がとても近い土地です。
そのため、外に向かって大きな窓をつけても、窓の向こうには隣の家が見えてしまいます。

窓を大きくすれば明るくなると思っていました。
でも、隣の家から丸見えだったらカーテンを閉めちゃいますよね。(。・-・。)
そこで夫が考えたのが、建物の内側に小さな庭をつくることでした。
それがわが家の坪庭です。

周囲に見せたい景色がないなら、敷地の中につくればいいと思ったんだ。
外に向かって大きく開くのではなく、坪庭に向かって視線を抜く。
そうすると隣家からの視線を避けながら、家の中に奥行きをつくれるんだよ。

最初は、ただでさえ小さい土地なのに、庭までつくるの?と思っていました。
でも、実際に暮らしてみると、この坪庭があることで家の中の印象がかなり変わります。
寝室や浴室から緑が見えたり、リビングから外へ視線が続いたり。
周囲を家に囲まれていることを、室内ではあまり意識しなくなりました。
27坪という土地の面積は変わらなくても、見える景色や視線の抜け方で、感じる広さは変わるんですね。(。・ω・。)
坪庭を使って、周囲からの視線を避けながら家の中に広がりをつくった考え方については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
▶︎ 27坪の狭小地でも開放感をつくれる|坪庭で視線をデザインした自邸の実例
ちなみに坪庭の位置も、最初から今の場所に決まっていたわけではありません。
道路側に配置する案と比較しながら決めたそうです。
明るさを確保するための2階リビング
もう一つの工夫が、2階リビングです。
周囲に建物があるため、1階にリビングをつくると、十分な明るさを確保するのが難しいと夫は考えていました。
また、わが家には車1台分のインナーガレージが必要でした。
27坪の敷地にガレージとLDKをどちらも配置することを考えた結果、LDKは2階になりました。

実際に暮らしてみると、2階リビングは明るく、外からの視線も気になりにくいです。
日中はカーテンを閉めずに過ごすことも多く、27坪の土地に建っていることを忘れるくらいです。

2階リビングは気に入っています。
でも、買い物した荷物を2階まで運ぶのは、ちょっと面倒です。笑
明るさやプライバシーの面では満足していますが、階段の上り下りはやっぱり必要です。
暮らしてみて感じる不便さが、全くないと言えば嘘になりますね( ̄▽ ̄;)
▶︎27坪の2階リビングは後悔する?実際に暮らして分かったこと
小さな敷地でも駐車スペースを確保した
わが家には、車1台分のインナーガレージがあります。
敷地が約27坪しかないので、建物と駐車スペースをどう配置するかも、土地を購入する前に確認していたことの一つです。
でも、駐車スペースが確保できるからといって、車の出し入れまで簡単とは限りません。
わが家の前面道路は、幅に余裕のある道路ではありません。
そのため、車庫入れには少し気を使います。
現在は向かい側が空地なので、比較的出し入れしやすいのですが、将来そこに家が建つ可能性もあります。

今は車を出し入れできていますが、向かい側に家が建ったらどうなるんだろう……。
そこは少し気になるところです。(´・ω・`)
この点は、購入前からある程度想定していました。
それでも駅からの近さや予算とのバランスを考えて、この土地を選びました。
土地探しでは、駐車できるかどうかだけでなく、実際の車の動きまで考える必要があるんですね。
土地の広さよりも、立地と建物に予算を使いたかった
この土地を選んだもう一つの理由が、予算です。
わが家は当初、家づくり全体の予算を5,000万円以内と考えていました。
そのうち、土地に使える予算は約1,400万円。
実際に購入した土地は800万円台だったので、当初の予算よりも抑えることができました。

私は駅から近い土地がよかったので、立地を諦めずに済んだのがうれしかったです。
それに、土地の価格を抑えられたのも大きかったですね。(。・ω・。)
夫は、建物に使う予算も大切にしていました。
例えば、
- 断熱性能
- 木などの自然素材
- 坪庭
- 板張りの浴室
- 室内の空間の質
といった部分です。


もし、もっと広くて条件の良い土地を選んでいたら、土地にかかる費用が増えて、建物の予算を調整する必要があったかもしれません。
私たちの場合は、土地を広くするより、駅からの近さと建物の質を優先しました。(⸝⸝•ᴗ•⸝⸝)
実際に27坪の自邸で、何を削り、どこにお金をかけたのかは、こちらの記事にまとめています。
▶︎ 面積を削って、質に使う|27坪の自邸で「削ったもの・お金をかけたもの」
家づくり全体の予算をどのような順番で考えたのかについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
実際に暮らして、この土地でよかった?
では実際に27坪の土地に建てた家で暮らしてみての感想はというと……。

住んでみての感想は、、
最高です!
駅から近く、利便性が良いってところもそうなのですが、特に気に入っているのが、
- 2階リビングで明るいこと
- 坪庭があるおかげで周囲の視線が気になりにくいこと
- 小さい家でも夫婦それぞれの居場所があること
です。
最初に土地を見たときは、こんな暮らしになるとは想像していませんでした。

土地を見ただけでは、正直ちょっと不安でした。
でも完成した家は、周囲を建物に囲まれているとは思えないくらい。
今ではすっかり気に入っています。(。・ω・。)
ただ、27坪という土地そのものがよかったというより、この土地の条件に合わせて家を設計したことが、今の暮らしやすさにつながっているのだと思います。
もちろん、坪庭の管理は少し大変
車の出し入れについては先ほど触れましたが、もう一つ気になることがあります。
それは、坪庭の日当たりです。
周囲を建物に囲まれているため、直射日光が当たる時間は長くありません。
実は、わが家の坪庭にはキノコが生えたこともあるんです。笑

坪庭にキノコが生えていたときは、ちょっとびっくりしました。
それと、ナメクジも出ました(~_~;)
庭は気に入っているけど大変な部分もあります。(゚д゚)
キノコが生える原因は日当たりだけではないかもしれません。
湿気や地面の水捌け、風通しなども関係するんだとは思います。
とはいえ、まさかキノコが生えるとは。。
こういうところは、実際に暮らしてみないと分からなかった部分です。
それでも坪庭をつくらなければよかったとは思っていません。
庭から得られる心地よさの方が、私たちにとっては大きいからです。(˙ω˙)و
条件の厳しい土地を購入する前に確認したいこと
ここまでわが家の話をしてきましたが、夫が設計を考えられたからこそ、購入に踏み切れた部分もあります。
土地の条件が厳しい場合は、設計で工夫できることと、工夫しても難しいことを分けて考える必要があるそうです。
間取りを工夫すれば、明るさや視線の問題を改善できることもあるよ。
でも、道路の条件や法的な制限など、設計だけでは変えられないこともあるんだ。
だから、土地を買う前に建物も一緒に考えたいんだよね。

例えば、購入前にはこんなことを確認しておきたいところです。
- 建物の規模と間取り: 希望する部屋数や広さを確保できるか
- 駐車計画: 車を置けるだけでなく、実際に出し入れできるか
- 道路と法的条件: 接道条件、建ぺい率、容積率、高さ制限などを満たせるか
- 採光とプライバシー: 周囲の建物との関係から、窓や部屋をどう配置できるか
- 工事費: 地盤や設備の引き込みなどで追加費用が発生しないか
- 総予算: 土地だけでなく、建物や諸費用まで含めて予算内に収まるか
ウチの土地のように、前面道路が位置指定道路の場合は、道路としての指定内容や幅員、接道条件などを確認しておく必要があります。
道路が私有地の場合は、
通行や掘削に関する権利関係、維持管理の取り決めなども確認したいところなんだそうです。

土地によるいろんな制約もあるようです…。
土地を購入する前に建築士や住宅会社に相談してみるのも一つの方法だと思います。

夫が建築士じゃなかったら、私はこの土地を選べなかったかもしれません。
でも、購入前にどんな家が建つのか分かれば、安心して土地を選べそうですよね。(。・ω・。)
土地が決まる前に建築士へ相談することについては、こちらの記事でも紹介しています。
まとめ|最初の印象とは違った27坪の暮らし
初めてこの土地を見たときは、正直ちょっと不安でした。
狭いし、隣の家も近いし、日当たりも悪そう。
駅から近いのは魅力だけど、本当にここでいいのかな?と思っていました。
でも夫は、土地の条件だけでなく、そこに建てる家まで考えていました。
そして実際に完成したのが、2階リビングと坪庭のある27坪の家です。
もちろん、車の出し入れに気を使うこともありますし、坪庭にはキノコやナメクジが出ることもあります。笑
それでも、駅から近くて、明るいリビングがあって、窓から緑が見える今の暮らしを、私はとても気に入っています。

土地を見たときの印象と、実際に暮らしてみた感想って、こんなに違うものなんですね。(。・ω・。)
あのとき、この土地を選んでよかったと思っています♪
だからといって、条件の厳しい土地なら何でも設計で解決できるわけではありません。
でも、土地だけを見て「ここはダメかも」と諦めていたら、今のわが家はなかったかもしれません。
土地が違えば、暮らしも違う。
暮らしが違えば、家も違う。
土地探しで悩んでいる方に、こんな家づくりの実例もあるんだなと知ってもらえたらうれしいです。
土地探しだけでなく、予算・間取り・住宅性能など、家づくり全体の進め方はこちらにまとめています。




