同じ予算でもここまで変わる|家づくりのお金の使い方
家づくりの費用について調べると、「総額いくらだったか」という情報は多く見つかります。
もちろん、総額を知ることは大切です。
ただ、同じ5,000万円の家づくりでも、
- 土地に多く使うのか
- 建物を広くするのか
- 住宅性能を高めるのか
- 素材や設備に使うのか
- 庭や外部空間に使うのか
によって、完成する住まいは大きく変わります。
つまり、家づくりでは「いくら使うか」だけではなく、「何に使うか」も同じくらい大切です。
私の自邸では、広さを最大化するのではなく、性能や素材、坪庭、日常の居場所などに予算を使いました。
この記事では、具体的な金額の内訳ではなく、限られた予算を何に配分するかによって、家づくりがどう変わるのかを考えてみます。
同じ予算でも、どこを優先するかによって、できあがる住まいは大きく変わります。
大切なのは、「いくらかけたか」だけではなく、自分たちは何にお金を使いたいのかを決めることだと思っています。
まだ「家づくり全体にいくら使えるのか」が決まっていない方は、先に総予算の考え方から整理してみてください。
土地・建物・諸費用を含めて、私がどのような順番で予算を決めたのかはこちらの記事で紹介しています。
この家で大切にした考え方
限られた予算の中で、すべてを満たすことはできません。
その中で私が意識したのは、床面積を増やすことよりも、毎日の暮らしの中で感じる心地よさに予算を使うことでした。
例えば、
- 視線が外へ抜けること
- 自然光を感じられること
- 冬でも暖かく過ごせること
- 家の中に落ち着ける居場所があること
- 毎日触れる素材の質感
です。
こうした部分は、床面積の数字には表れにくいものです。
それでも、実際に暮らしてみると、毎日の満足度には大きく影響すると感じています。
これらは面積を増やさなくても、設計次第で大きく変えられる部分です。
自邸では、坪庭や窓の位置を考えながら、室内からどこまで視線が抜けるかを意識して設計しました。
同じ予算でも、何を優先するかで家は変わる
同じ家づくりの予算でも、何を優先するかによって、完成する住まいは大きく変わります。
例えば、考え方を大きく分けると次のようになります。
| 項目 | 広さを優先する考え方 | 私たちが選んだ考え方 |
|---|---|---|
| 建物 | 床面積を広げる | 27坪程度に抑える |
| 土地 | 広さを確保する | 駅からの距離を優先する |
| 住宅性能 | 標準的な仕様を中心に考える | 冬の快適性を重視する |
| 内装 | 面積を優先してコストを抑える | 木や塗り壁など質感に使う |
| 外部空間 | 室内面積を優先する | 坪庭やルーフテラスを残す |
| 暮らし方 | 大きな部屋をつくる | 性質の異なる居場所をつくる |
これは、どちらが正解という話ではありません。
広いLDKや大きな庭を優先したいご家族もいると思います。
私たちの場合は、床面積を最大化するよりも、冬の暖かさや素材、坪庭、日常の居場所など、毎日の中で繰り返し感じる部分へ予算を使うことを選びました。
同じ予算でも、「何を守り、何を優先するか」によって、できあがる家は変わります。
自邸では、何にお金を使ったのか
私の自邸では、床面積を最大化するのではなく、毎日の暮らしの中で繰り返し感じる部分を優先しました。
例えば、
- 冬の快適性を支える住宅性能
- 室内から何度も眺められる坪庭
- 毎日使う浴室
- 木や塗り壁などの素材
- 家の中に複数の居場所をつくること
などです。
一方で、土地や建物の広さについては、優先順位を下げました。
大切なのは、この選び方が正解ということではありません。
広いLDKを優先する人もいれば、キッチンにお金を使いたい人もいます。駅からの近さを優先したい人もいると思います。
家づくりでは、限られた予算の中で、自分たちは何に価値を感じるのかを決めることが大切です。
この家で優先したのは、日常の中で繰り返し体験する“空間の質”と、暮らしの快適性を支える性能です。
具体的には、以下のような部分にコストを使っています。
・坪庭の植栽

床面積を増やす代わりに、室内から何度も眺められる坪庭をつくりました。
坪庭そのものは室内の床面積にはなりません。
それでも、寝室や浴室、廊下、LDKから視線が抜けることで、27坪以上の広がりを感じられる場所になっています。
・ハーフユニットバス+板張りの浴室

浴室は、一般的なユニットバスではなく、ハーフユニットと板張りを組み合わせました。
毎日使う場所だからこそ、広さを増やすことより、入ったときに気持ちよく感じられる場所にお金を使いたいと考えました。
・自然素材(無垢床・漆喰塗り壁・外壁板張り・外壁塗り壁)
→ 経年変化と質感を楽しむため

・造作建具
→ 空間全体の統一感をつくるため

実際に何を削り、その分を何に使ったのかは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
何かを優先するなら、何かの優先順位を下げる
限られた予算の中で何かを優先するなら、すべてに同じようにお金をかけることはできません。
例えば、
- 広さより立地を優先する
- 広さより住宅性能を優先する
- 設備より素材を優先する
- 大きな庭より駅からの距離を優先する
といった選択があります。
ここで大切なのは、「何を削るか」だけを考えないことです。
先に、
自分たちは何を大切にしたいのか。
を決め、そのために優先順位を下げてもよいものを考えた方が、納得して判断しやすくなります。
私たちの場合は、土地や建物の広さの優先順位を下げ、その分を住宅性能や空間の質へ使いました。
その具体的な内容については、27坪の自邸のコスト配分の記事で詳しく紹介しています。
まとめ
家づくりは「いくらかけたか」ではなく、「どう使ったか」で満足度が変わります。
同じ予算でも、
- 広さに使うのか、性能に使うのか、
- あるいは空間の質に使うのかで、
- 完成する住まいは大きく変わります。
この家では、「広さ」ではなく「感じ方」にお金を使うことを選びました。
もしこれから家づくりを考える方がいれば、ぜひ金額だけでなく、その使い方にも目を向けてみてください。
家づくりの予算を考えるときは、「どこを削るか」から考える前に、
自分たちは、何にお金を使いたいのか。
を家族で話してみてください。
例えば、
- 駅から近い土地
- 広いLDK
- 冬の暖かさ
- キッチンや浴室
- 庭やテラス
- 自然素材
- 趣味や仕事の場所
など、それぞれが「これは大切にしたい」と思うものを書き出します。
その中から、特に優先したいものを3つ程度選んでみてください。
すべてに同じようにお金を使うことは難しくても、優先順位が分かれば、
「ここには使う。でも、ここは抑えてもいい。」
という判断がしやすくなります。
同じ予算でも、何に使うかによって家は大きく変わります。
だからこそ、金額を決めることと同じくらい、自分たちにとって価値のあるものを決めることが大切だと思っています。
私が27坪の自邸で、実際に何を優先し、何を手放したのかについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

