27坪のLDKは何畳必要?一級建築士の自邸は約17畳|12畳〜20畳を比較
私の自邸のLDKは27.70㎡、約17畳です。
ただし、最初から17畳と決めていたわけではなく、家全体を検討した結果としてこの広さになりました。
27坪の家では、16畳前後のLDKも十分検討できます。

「27坪の家なら、LDKは何畳あればよいのか。」
「16畳では狭いのか。18畳、20畳まで広げた方がよいのか。」
家づくりを考えていると、LDKの畳数は気になると思います。
数字は間取りを比較する目安になります。
私も自邸を設計しているとき、LDKの畳数をまったく考えていなかったわけではありません。
ただ、畳数を先に決め、それに合わせて他の場所を削ったわけでもありません。
階段の位置や他の部屋、動線、坪庭、敷地条件、予算を一つずつ検討した結果、自邸のLDKは27.70㎡、約17畳になりました。
この記事では、12畳・14畳・16畳・18畳・20畳前後の違いを整理したうえで、27坪の家でLDKの広さをどう考えればよいのかを、自邸での経験とともにお話しします。
27坪の家ならLDKは何畳必要?


先に結論|16畳前後から選択肢は増えるが、正解は一つではない
27坪前後の家でも、16畳前後のLDKは十分検討できます。
16畳ほどあると対面キッチンも選択肢に入り始め、リビングとダイニングの家具も配置しやすくなります。
2〜3人で暮らす家のLDKとして、現実的に検討しやすい広さだと思います。
12畳や14畳では必ず狭い、ということではありません。
壁付キッチンとして通路を減らしたり、置きたい家具の寸法から逆算したりすることで、その広さでも十分成立する場合があります。
反対に、20畳あれば必ず快適になるわけでもありません。
延床約27坪の家でLDKを20畳以上にすれば、その分、個室、収納、廊下、庭などに使える面積は少なくなります。
大切なのは、畳数から考えることではありません。
何畳あるかではなく、その畳数で希望するキッチンや家具、動線が成立するかを見ることです。
27坪の家全体で感じたメリットとデメリットについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
▶︎ 27坪の家は狭い?一級建築士が自邸で実感したメリット・デメリット
LDK16畳は狭い?12畳・14畳・18畳・20畳と比較

LDKの畳数が変わると、設計の自由度やキッチンの選択肢がどのように変わるのかを整理すると、次のようになります。
| LDKの広さ | 計画の考え方 | キッチン・家具のポイント |
|---|---|---|
| 12畳前後 | 設計次第では十分成立する。 畳数だけで狭いとは判断できない | 壁付キッチンなどで専用の通路を減らしやすい。 家具寸法と動線を丁寧に確認する |
| 14畳前後 | 家具配置や動線によって使いやすさが大きく変わる | 面積効率のよいキッチン配置を検討しやすい。 ソファやテーブルの大きさを先に想定する |
| 16畳前後 | 27坪前後の家でも十分検討でき、レイアウトの自由度が上がり始める | 対面キッチンも選択肢に入る。 2〜3人暮らしでも現実的に検討しやすい |
| 18畳前後 | やや余裕が生まれ、リビングとダイニングに余白を持たせやすい | キッチン形式や家具配置の選択肢が増える |
| 20畳以上 | レイアウトの自由度はかなり高くなる | LDK以外の部屋、収納、廊下、庭との面積配分を確認する。 20畳の確保自体を目的にしない |
この表は、広い方が優れているという順位ではありません。
同じ畳数でも、部屋の縦横比、窓や扉の位置、キッチンの形式によって使いやすさは変わります。
例えば、16畳あっても通路がLDKを横切れば、家具を置ける範囲は小さくなります。
反対に、12畳でも移動経路と家具の配置が整理されていれば、床面積を無駄なく使えます。
畳数は入口として分かりやすい数字です。
ただし、最終的に確認したいのは、数字ではなく平面図の中でできることです。
LDKを広くすることだけが、家の居心地を良くする方法ではありません。
自邸では、限られた27坪の中に、LDKとは少し違う過ごし方ができる場所もつくりました。
LDKが小さくなるほどキッチン計画が重要になる
LDKの中で大きな面積を使うのがキッチンです。
とくに12畳から14畳前後のLDKでは、キッチンの置き方によって、リビングやダイニングに使える範囲が大きく変わります。

壁付キッチンは専用の通路を減らしやすい
壁付キッチンは、壁に沿ってキッチンを配置します。
調理するときに立つ場所を、ダイニング側の動線と重ねやすいため、キッチンのためだけに通路を確保する面積を減らしやすいのが特徴です。
その分、ダイニングテーブルやソファを置く場所に面積を使えます。
ただし、壁付キッチンにすれば自動的に使いやすくなるわけではありません。
冷蔵庫や食器棚の位置、調理中に人が通る場所、ダイニングテーブルとの距離まで確認する必要があります。
壁付キッチンは、キッチンが丸見えになるのでイヤだ、という方もいらっしゃいます。

対面キッチンは広さだけでなく通路まで確認する

対面キッチンは、料理をしながらリビングやダイニングを見渡しやすく、家族とのつながりをつくりやすい配置です。
その一方で、キッチン本体の奥行きに加えて、背面収納との間の作業通路や、キッチンへ出入りする通路も必要になります。
そのため、同じ16畳でも壁付キッチンと対面キッチンでは、リビングやダイニングに残る面積が同じとは限りません。
対面キッチンを希望する場合は、平面図に次のものを実寸に近い大きさで入れて確認した方がよいと思います。
- キッチン本体
- ダイニングテーブル
- 椅子を引く範囲
- 冷蔵庫と扉を開ける範囲
- 食器棚や家電収納
- ソファとテレビの距離
- 人が通る場所
LDKの広さは、キッチン単体ではなく、家具と人の動きを一緒に描いて初めて判断できます。
27坪の自邸は27.70㎡|約17畳のLDK
私の自邸は、敷地面積・延床面積ともに約27坪です。
LDKは2階にあり、図面上の面積は27.70㎡です。
1畳を1.65㎡として換算すると約16.7畳なので、この記事では約17畳としています。

我が家のLDKには、書斎コーナーの他にLDKとつながる位置に坪庭の吹き抜けとルーフテラスを計画しました。
最初から17畳に決めていたわけではない

自邸を設計するとき、LDKの畳数はぼんやりと意識していました。
ただ、最初に目標の数字を置き、それに合わせて他の部屋を削ったわけではありません。
検討したのは、次のようなことです。
- 建蔽率から建築できる範囲
- 1階と2階をつなぐ階段の位置
- 寝室や水まわりなど、他の部屋との関係
- 日常の移動が遠回りにならない動線
- 坪庭と、その上部に必要な吹き抜け
- 2階へ光を取り込む方法
- 家全体にかけられる予算
こうした条件を一つずつ調整した結果、LDKが27.70㎡になりました。
つまり、自邸の約17畳は目標にした数字ではなく、家全体を考えた結果です。
自邸で坪庭を中心に視線を組み立てた考え方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
夫婦2人で暮らして狭さは感じていない
現在は夫婦2人で暮らしていますが、LDKを狭いと感じることはありません。
ダイニングで食事や仕事をし、リビングではソファで過ごしています。
お互いが同じLDKにいても、過ごし方を分けられています。
今の間取りと暮らし方であれば、子どもが1人増えても、LDKが大きく不足する感覚はないのではないかと思っています。
もちろん、必要な広さは家族の人数だけでは決まりません。
大きなソファを置きたいのか、6人掛けのテーブルが必要なのか、LDKに子どもの遊び場をつくるのかによっても変わります。
我が家の場合は、約17畳の中に置きたい家具と必要な動線が納まっているため、狭さを感じていないのだと思います。
LDKを広げるより、坪庭と吹抜けを残した

自邸のLDKを、もう少し広くすることはできました。
坪庭を諦め、その部分を室内へ取り込めば、20畳以上のLDKとすることもできたと思います。
ただ、私はその考え方を選びませんでした。
リビングを数畳広くすることより、坪庭と、その上部の吹き抜け空間をつくることの方が、私にとっては大切だったからです。
坪庭があることで、1階の寝室や浴室から緑が見えます。


2階では、ダイニングやリビングから坪庭の上へ視線が抜け、空や光を感じられます。
床面積には含まれない空間ですが、家の中で感じる広がりには大きく影響しています。

実際に暮らしてみると、LDKがあと数畳広いことよりも、室内から光や緑が見え、視線が外へ伸びることの方が、私たちの暮らしには合っていました。
これは、坪庭があれば必ずよいという話ではありません。
広いLDKを優先したい方もいれば、収納や個室を増やしたい方もいます。
庭をなくして室内を広げる方が、その家族に合う場合もあります。
大切なのは、20畳という数字を得るために、何を手放すことになるのかまで考えることです。
実務で設計した12畳のLDK
これまでの住宅設計では、12畳前後のLDKを計画したこともあります。
住む人数や暮らし方、置く家具、隣接する空間とのつながりによっては、その広さでも十分成立します。
とくに少人数で暮らす家では、使わない余白を増やすより、日常で必要な場所を使いやすくまとめる方が合うことがあります。
ただし、12畳前後では少しの寸法差が使いやすさに影響します。
キッチンの向き、テーブルと椅子の大きさ、ソファの有無、収納扉を開ける範囲まで丁寧に確認する必要があります。
「12畳だから狭い」と一律に判断するのではなく、その12畳の中に暮らしが納まっているかを見ることが大切です。
LDKの畳数を決める前に確認したい7つのこと

LDKの広さを考えるときは、「何畳ほしいか」と聞く前に、次の内容を確認してみてください。
1.将来を含めて何人で暮らすか
現在の人数だけでなく、子どもが増える可能性や来客の頻度も考えます。
ただし、人数だけで必要な畳数を決めるのではなく、それぞれがLDKでどう過ごすかまで考えることが大切です。
2.どのようなキッチンにしたいか

壁付、ペニンシュラ、アイランドなど、キッチンの形式によって必要な面積と通路が変わります。
対面キッチンを希望するなら、キッチン本体だけでなく、背面収納や冷蔵庫の前まで確認します。
3.ダイニングテーブルの大きさ

4人掛けと6人掛けでは、テーブルそのものの大きさだけでなく、椅子を引く範囲も変わります。
購入予定の家具があれば、実際の寸法を平面図へ入れてもらうと判断しやすくなります。
4.ソファは必要か、どのくらいの大きさか
大きなソファを置くのか、1人掛けの椅子を組み合わせるのか。ソファを置かない暮らしも含めて考えます。
テレビとの距離や、窓、収納扉との干渉も確認します。
5.人が通る場所はどこか
玄関から各室へ向かう動線がLDKを横切ると、畳数が同じでも家具を置ける範囲は小さくなります。
料理をする人、椅子に座る人、後ろを通る人の動きが重ならないかを見ます。
6.LDKとつながる空間はあるか

庭、吹き抜け、テラス、和室など、隣接する空間とのつながりによってLDKの感じ方は変わります。
床面積を増やすだけでなく、視線や光がどこまで続くかも確認したいところです。
7.LDK以外に何を優先したいか
収納、個室、書斎、庭、浴室、性能など、限られた床面積と予算をどこに使いたいのかを考えます。
27坪の家では、すべてを最大にすることはできません。
だからこそLDKを広げることで失う場所まで含めて比較する必要があります。
LDKの広さだけでなく、土地・予算・間取り・住宅性能まで含めて家全体の優先順位を整理したい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
まとめ|何畳必要かより、その畳数で何ができるか
27坪前後の家でも、16畳前後のLDKは十分検討できます。
12畳や14畳でも、壁付キッチンなどで通路を整理し、家具と動線を丁寧に計画すれば成立する場合があります。
18畳や20畳になれば選択肢は増えますが、その広さだけで快適さが決まるわけではありません。
私の自邸では、階段、他の部屋、動線、敷地、予算、坪庭を検討した結果、LDKは27.70㎡、約17畳になりました。
坪庭をなくせば、20畳に近づけることもできました。
それでも私は、リビングを数畳広くすることより、坪庭と吹き抜けを残すことを選びました。
家づくりで考えたいのは、LDKだけを何畳にするかではありません。
限られた床面積を、家全体のどこに使いたいのか。
そして、
何畳必要かより、その畳数でどのようなレイアウトと暮らしができるのか。
そこまで確認することで、自分たちに必要なLDKの広さが見えてくると思います。
LDKの広さを考えるときは、まず「何畳ほしいか」を決めなくても大丈夫です。
一度、
- どのようなキッチンにしたいか
- どのくらいの大きさのテーブルやソファを置きたいか
- LDKで家族がどのように過ごすのか
- 庭やテラスなど、LDKとつなげたい場所はあるか
- LDK以外にも大切にしたい場所はあるか
を書き出してみてください。
そのうえで平面図に家具まで入れて、
「この広さで、自分たちがしたい暮らしができるか。」
を確認してみてほしいと思います。
16畳だから狭い、20畳だから快適と決めるのではなく、その畳数の中で何ができるのかを見る。
それが、自分たちに必要なLDKの広さを考える一番分かりやすい方法だと思います。

