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私は2025年に、敷地・延床ともに27坪の自邸を設計・建築しました。一級建築士として設計し、施主として暮らしているから経験を元に、広さに頼らない家づくりを発信しています。

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一級建築士が考える|断熱等級7でも快適とは限らない理由

kentikun

私は「断熱等級7だから安心」とは思いません。

むしろ、その考え方には注意してほしいと思っています。

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近年は、断熱等級6・7やHEAT20 G2・G3など、高性能住宅を示す数値が注目されるようになりました。

もちろん、高い断熱性能を目指すこと自体は決して悪いことではありません。

しかし、「断熱等級7だから安心」「等級が高いほど良い家」と考えてしまうと、本当に大切なことを見落としてしまう可能性があります。

私は営業・設計・現場管理を経験し、自分自身で自邸を設計して暮らしています。

その立場から言えるのは、

住宅の快適性は、断熱等級だけでは決まりません。

今回は、その理由をお伝えします。

断熱等級は「設計上の性能」です

まず知っていただきたいのは、断熱等級は設計段階で決まる性能だということです。

断熱等級は、Ua値をもとに算定されます。

使用する断熱材の種類や厚み、窓や玄関ドアなどの性能を入力し、建物の外皮面積から計算して求められます。

つまり、

「このように建てられれば、この性能になります」という設計値です。

まだ建物は完成しておらず、現場でどう施工されるかまでは反映されていません。

そのため、断熱等級が高いことと、「実際に快適な家」であることは、必ずしもイコールではありません。

快適な家は断熱等級だけでは決まらない

家で暮らす人が求めているのは、断熱等級という数字ではありません。

  • 冬でも暖かいこと
  • 夏でも涼しいこと
  • 光熱費が抑えられること
  • 部屋ごとの温度差が少ないこと

こうした実際の暮らしやすさです。

例えば、断熱等級7でも日射取得がうまくできていなければ、冬は暖房に頼る時間が長くなります。

逆に、夏の西日対策が不十分であれば、冷房負荷は大きくなります。

つまり、断熱性能が高くても、

  • 採光
  • 日射取得
  • 日射遮蔽
  • 通風
  • 暖房計画

これらが設計されていなければ、快適とは言えません。

住宅の快適性は断熱性能だけではなく、設計全体のバランスで決まります。

私自身も断熱等級6の住宅で暮らしています。

実際の住み心地や暖房費については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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断熱等級7を優先すると失うものもある

私は、お客様から

「断熱等級7にした方がいいですか?」

と聞かれたら、

「まずは何を優先したい家なのかを考えましょう」

とお話しします。

断熱等級7を目指すこと自体は悪いことではありません。

しかし、そのために、

  • 窓を小さくする
  • 開放感を諦める
  • 間取りを変更する
  • 予算の多くを断熱性能に使う

このようなことが必要になるケースもあります。

その結果、本当にやりたかった暮らしを諦めてしまっては本末転倒です。

家づくりは断熱等級を競うために行うものではなく、自分たちが心地よく暮らすために行うものです。

私は断熱等級7を否定しているわけではありません。

ただ断熱等級7を優先した結果、本当にやりたかったことを諦めるのであれば、一度立ち止まって考えてほしいと思っています。

もう一つ大切なのが施工品質です

どれだけ高い断熱等級で設計しても、それが現場で再現されなければ意味がありません。

  • 断熱材の充填に隙間がある。
  • 気密処理が甘い。
  • 防湿施工が適切ではない。

こうした施工の積み重ねによって、本来発揮できるはずの性能は変わってしまいます。

私は100棟以上の住宅づくりに携わってきましたが、住宅性能は図面だけでは完成しないと強く感じています。

現場でどれだけ丁寧に施工されるか。

ここまで含めて初めて、設計した性能が住まいとして成立します。

グラスウールはやめた方がいい、と言われることもあります。ですが私はそう思いません。むしろ良い断熱材だと思うほどです。こちらの記事で詳しくご紹介しています。

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数値だけでは見えないもの

最近では高断熱・高気密を強みにする住宅会社も増えました。

もちろんそれ自体は良いことです。

ですが、家づくりでは性能値だけを見るのではなく、

  • なぜこの設計なのか
  • 日射取得や日射遮蔽まで考えられているか
  • 現場で性能を再現する仕組みがあるか

こうした点まで確認してほしいと思います。

数値だけでは見えない部分にこそ、住宅会社の考え方や技術力が表れます。

まとめ

断熱等級は、住宅性能を判断するための大切な指標です。

ですが、それだけで住宅の快適性は決まりません。

私は住宅会社を選ぶときも、数値だけでは判断しません。

「なぜこの性能なのか」を説明できる会社かどうか。

そこに設計力や技術力が表れると思っています。

相談してみたいけど、何を話せばいいか分からない。

そんな方のために、初めての設計相談でよくいただく質問をまとめました。

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ABOUT ME
一級建築士|ドル
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27坪の狭小地に自邸を設計し、現在も実際に暮らしています。
広さに頼らず、視線や居場所のつくり方で暮らしの質が変わることを実感しています。
その経験をもとに、限られた条件でも豊かに暮らせる住まいを設計します。
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